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現代人の9割は「背部痛」の持ち主だというデータがあります。この場合の背部痛は動けなくなるほどのひどい痛みではなく、なんとなく背中が痛いとか、背中が張って苦しいとかの症状をさしています。
一般にMRI・CTや血液検査において異常を認めないが、肩こりや腰痛として筋肉の痛みが2~3ヶ月以上続く病態であり、筋肉を圧迫するとトリガーポイント(筋硬結)があり圧迫痛を生じます。筋硬結は後頭骨・頚部から脊柱・骨盤に出来るため、首~肩周囲筋(僧帽筋・肩甲挙筋・三角筋・菱形筋)と腰背部筋(最長筋・多裂筋・大臀筋・中臀筋)などに痛みを訴えることが多く、性別では3:1の比率で女性に多いとされています。
症状としては日常生活での筋肉の疼痛と凝り・疲れやすい・体調不良などの自律神経失調症を伴うこともあります。発生原因としては、筋への過剰負荷や筋疲労があり、脊柱の椎間孔狭小化による神経圧迫も原因となりうることがあります。
精神的なストレスの増加や身体的疲労に伴い痛みの増強があり、痛みに伴う運動制限などもみられ、検査で異常のでない慢性痛としての一般的な肩こり・腰痛の大部分は筋筋膜痛症候群に含まれます。
人間の身体で老化のもっとも早い部分といわれるのが、目、歯、軟骨です。これらの部分の老化は、お肌の曲がり角と言われる25歳くらいから始まります。
特に軟骨の老化は早くて、その中でも最も大きな軟骨である背骨の軟骨が老化して背中に痛みを起こすことが考えられます。
サラリーマンの一日の生活を振り返ってみるとわかりますが、私たちは常に同じような身のこなしをするものです。デスクワークをする人は前かがみの姿勢をとることが多いし、プロゴルファーは体を右から左にねじることが多い。このような一定の型の姿勢を毎日繰り返していると、体の動きに一定の習慣ができてしまいます。この習慣化が背骨への局部的な疲労やねじれをつくり、元の形に戻らなくなってしまい、これが痛みを誘発していると考えられます。
感情におぼれたり、心に負担を重く感じたり、あるいは知的思考が過度になったりすると、睡眠が浅くなります。睡眠が浅い分、疲れが翌日に持ち越され蓄積されます。これらのストレス・疲労が内臓に負担をかけ、筋肉の状態をアンバランスにさせます。アンバランスな筋肉が背骨を歪め、痛みを発すると考えられます。
肩甲骨内側部の痛みを訴えて来院される方が多いです。
腕を前に出して、その状態を維持するには、背部の筋肉を使います。それは腕の骨が肩甲骨と関節を作っている為です。
筋肉が伸びたり縮んだりしている時は、筋肉自体がポンプのような働きをして筋肉内の血液を送り出すような効果が得られます。これに対して、デスクワークなどでパソコンにむかって、タイプを打つ時の両肩は前方へ丸まるような姿勢となります。この時肩甲骨内縁から背骨についている筋肉は伸張された状態で、更に腕を維持するために収縮した状態となります。この時筋肉は血管を圧迫し、血流を悪くします。血流が悪くなれば、筋肉内に疲労副産物が蓄積し、痛みが現れる訳です。
その他に背中が痛む原因には次のような場合が考えられます。
筋筋膜痛症候群の方は「肩か腰」の一箇所に凝りや痛みを訴える方が多いです。症状の重い方は「肩と腰の両方が痛い」とか「背中が痛い」という訴えが多いです。この疾患は検査(MRI・血液検査)では異常が出ませんが、痛みや凝りが強く慢性的に苦しんでいる人が多いのは事実です。
日常では午後から夜にかけて「肩や腰が重い感じがする」「体が疲れやすい」というような疲労性の訴えと合わせて、痛みを感じ始めると「持続的な鈍い痛み」を感じる人が多いようです。
症状の重い方では、痛みにより睡眠が取れない→眠れないから翌日などは痛みが増す→倦怠感・仕事への集中力低下(ボーとしている時間が増える)→持続的な痛みでイライラする→また今夜も痛みで眠れないという悪循環を経過する方が多いようです。
持続的な鈍い痛みであり、仕事中や夕方の家事(炊事など)では痛みにより動くことができないということはなく、本人が痛みを訴えても他者からは「そのくらい大した事は無い」という見方をされることは多いようです。このような慢性痛は他者の理解が得られにくい疾患であることも本人を苦しめる一要因になっているようです。
背部痛は時々狭心症や心筋梗塞の疑いとされます。心電図で異常がなかった場合には、単なる筋肉痛の場合が多いのです。逆に、治療をしても痛みが続くならば、なんらかの内臓疾患を疑う必要があるでしょう。
以下の項目にあてはまる場合はまず医師に相談してみて下さい。
背中には胸の後ろとお腹の後ろの二カ所に分けられます。胸の後ろでは心臓や肺臓に関連する痛みが起こり、お腹の後ろでは腹部臓器に関連した痛みが起こります。
頑固な背部痛が続く場合には、内蔵疾患を疑って検査を受けることが、病気の早期発見に必要であると思われます。